今回お話するのは筆者カナタの体験談。
バイトと聞いてぱっと思いつく業種ランキング5位までには入ってそうな「コンビニ店員」アルバイト。
そんな中でも私は夜勤専門のスタッフを約3年間続けた。
色々悪いイメージがつきまといがちな夜勤バイトだけれど、今回は私がやってて面白かったこと・よかったなあと思ったことに焦点を当てて話してみようと思う。
正直かなーり主観的な内容だから誰かの参考になるかどうかはわからない。そんなやつもいるんだなぁ程度で読んでくれ。

お客様より同僚の方が怖い
まずは軽く、これがどんな奴の体験談なのかについて明らかにしておこう。
筆者カナタはこのコンビニ店員になるまで、ほとんどバイト経験がなかった。高校時代、うっすらと休日のみの接客業手伝いをしていたくらいだ。
そして大学中退後、自信も気力も潰えていたところを友人に誘われ、流されるままコンビニ店員となった。
最初はその友人とともに午後の夕方〜深夜帯までの時間で勤務してたんだけれど、当然ながら毎回そんな訳にはいかない。
同僚がいれば仕事を分担してやる必要がある。これが未経験には辛かった。
夕方から夜の時間帯は帰宅ラッシュでそれなりにコンビニは忙しい。いつどこからどんなタスクが降ってくるかわからないサービス業だ。普通にやってても大変だ。
そのうえ自慢でもないことだが私はコミュ障だった。
それで何が困るかって、同僚の様子が気になりすぎてストレスがマッハだったのだ。
別に忙しい時は問題ない。ビジネスライクだ。バイト程度におおげさな言い方だけども…
しんどいのはたまにお客が途切れてやる仕事もないような空白時間。ほんとに気まずすぎて死ねる。
当然なんとか仲良くなろうと努力はした。したが、私はなんとも本来とろいやつで、そもそも暇がたまにできるとはいえそれは業務時間内だ。忙しいし、コミュニケーションに全力投球とはいかない。
基本コンビニスタッフなんかシフト制だから速攻帰るし。
ついで後付けになるけどコンビニ店員やってる人って変わった人多いんだよね。
たぶん向こうからしたら私こそわけのわからん奴だったとは思うけれど。
いや、わかっている。結局は私の性格が原因であったことは。それでも普通はなんやかんや慣れていくし、ちょっと良い同僚くらいできるものだ。
しかしこと、あの時期の私にとっては素性のわからない同僚がいる状況がめちゃくちゃストレスだったことは確かだ。
ワンオペ、それは気楽
それに対して、お客様に対応するのは楽なものだった。
マニュアル通りの対応だってあるし、たまに何かアドリブの求められるシチュエーションにしたって、私は店員、お相手はお客という関係は揺るがない。
これが同僚だったら何が相手のお気に召して何がイラつかせるのかわからない。仕事分担とかペースとか、協力してやる相手の方が気を遣う範囲が広いと思うんだよね。
それに対してお客さん相手なら、とにかく真摯に対応するだけだ。相手に向き合うことだけでいい。
なので、仕事内容にある程度慣れたあと、私は同僚のいない深夜帯のシフト中心のスタッフになった。
深夜帯はお客が少ないから基本ワンオペだ。
まあもちろん普通時間帯に比べて良いことばかりではない。
一晩中起きてなきゃいけないし、レジ対応や納品は一人でやる必要があるし、深夜にやっておかないといけないもろもろ雑事、そもそも拘束時間が長い等々、大変なことは多い。
けれど、それを差し引いてでも。
従業員が自分一人になることで、働くのがとても楽になったのだ。
深夜コンビニバイトの良さ
そんな深夜コンビニバイトをやっていて、面白かったこと、良かったなと思うことをこれから思いつく限り挙げていこう。
お客さん少ないから気が楽
さっき言った「お客様に対応するのは楽」ってのをいきなりひっくり返すけど、その通りだから仕方ない。
私はもともと対人スキルが貧弱だ。対応するのにそれなりの気力が持ってかれるし、それが短時間に大人数となるとキャパオーバーになって丁寧な対応ができなかったりつまらないミスをしたりすることが多かった。
それがまばらになるだけで途切れた隙に一旦深呼吸したりなんなり、落ち着けるのは大きかった。
ひとりひとりにちゃんと向き合えるから楽しい
その「お客さん少ない」ことから派生することだけど、余裕があるから一人一人のお客さんに向き合って接客できた。
些細なことならばいつも来るお客さんのタバコの銘柄を覚えた。
毎週、同じ時間に雑誌を買う人のために、入荷したらそちらを先に陳列しておく。
コンビニ程度であまりないことだが何か困ってそうな方がいたら進んで声をかける。
特にそれで良い反応が返ってくることを期待してるわけでもなく、これらはやってて楽しい。
こういう気持ち良さは接客業の醍醐味かもしれない。本来なら時間帯や人の入りなんて関係なくやっていけたらいいことだけれど、実際やるのはなかなか難しいことだと思う。
私は今でも自分のことを接客には向いてないと思っているけれど、そういう楽しさの一端が体験できたのは本当に良かったと思っている。
自分が店を任されている(というような気になる)
お客さんのことから離れて、純粋にワンオペ業務のプラス要素だ。
コンビニは昼間は常にお客さんの入りがあって、通常のバイトスタッフだと仕事のうち接客の比重がかなり多い。
対して夜勤スタッフが何をしているかと言えば、
- 入荷してくる商品の陳列(これは昼間もやってる)
- それら商品の在庫整理
- 店内外、ホットスナックやコーヒーメーカやおでん容器の清掃
- 場合によっては商品の発注
- キャンペーン広告の張り出し
などなど、お店を回していく上で必要な仕事のうち昼間じっくり時間をかけてできないものを担当する。
これらを自分の時間配分でやってくことになる。
仕事量は曜日や店の状況によってまちまちで、どうやっても大体終わらせられる日もあれば、順番やかける時間配分を考えないとうまくいかない量のときもある。
これらを一人でやり終えて、すっきりした店内を眺めながら迎える朝日はなかなかのものだった。
自分がこの店を回したぞ!という気分になる。
ほんとは店長やマネージャーの仕事量や質を思えば単なる夜の店番くらいのものだけれどね。
暇なときは暇
「夜勤コンビニバイトはとかく暇でだらだら働ける!」というイメージがある。けれど実情は若干異なる。
一応勤務時間内のことなので言うのが躊躇われたけど、実際めちゃくちゃ暇な日はある。
けれどもちろん、お客はまばらでもいつ来るかわからないし、なによりそういう暇な時間帯に先ほど述べたやらなきゃいけない仕事を済ませておかないと後悔する羽目になる。
そういうタスクもなく実際のんびりできる時間は1時間くらい。私はおよそ9時間ほどのシフトだったので、間の休憩時間をもらっているようなものだと思えばそんなもんかなと思う。
とはいえ、いつどんなふうに休憩を取るかも自由だし、休んでる間待たせてる同僚がいるわけでもないから気はめちゃくちゃ楽。
総じて考えるとやっぱり暇で気楽な仕事だといえる。
休みの日がはっきりしている
うって変わって、勤務外のことだけれど、これは昼の5時間やそこらのバイトにはない利点。
7〜9時間、比較的高い時給で働くので、1日あたりの給料が大きかった。つまり、同じだけの所得を得るために少ない日数で済む。
また夜勤スタッフというのはだいたいどの店でも固定で担当する曜日があって、交渉次第で先々まででも予定が組みやすい。
働く日と休みの日がはっきりしているのは、考えようによっては楽と言えるだろう。
まとめ〜「でも、やらん方がいいと思う」〜
3年間、単調なれどいろんなことがあった。
毎朝来るおじいちゃんと仲良くなって、バイト上がりに朝飯を奢ってもらったり。
気の荒いガテン系のおっちゃんにキレ散らかされたり。
ダンディな紳士が落とした杖を拾ったら、去り際無言で肩を叩かれたり。
そんな個別のエピソードも、またまとめてみても面白いかもしれない。
総合して、今こうして思い返してみて、本当によかったと思うことがひとつある。
全ての働く人を尊敬できるようになったことだ。
端からみてたら気怠そうに働いている人だってそれなりの苦労があってそんな感じなんだろうなあと想像できる。
働くってすごい。
そんなことはみんな、経験でも知識でも知ってることで、それを私が強く思い知らされたのはコンビニ夜勤だったというたったそれだけの話だ。
悪かったと思ったことは次回
まあそれでも私の過ごした3年はだいたい無駄だったと思っている。
詳しくは次回。今回はここまで。
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